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2025年04月07日

テスラ、「押し目買い」は禁物

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ソン・リュンス

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私がテスラに投資しない理由
テスラは10月23日、予想を上回る決算発表後に株価が20%急騰し注目を集めた。しかし私は、イーロン・マスク氏の経営スタイルとテスラのビジネスモデルがバリュー投資に適さないと判断し、投資を行わない。
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AWARE - ソン・リュンス

2024年10月25日に執筆した上記の記事で、筆者は「革新的な企業だからといって、必ずしも投資に適した対象になるわけではない」と主張した。当時260ドル水準で取引されていたテスラ(TSLA)の株価は、トランプ氏の当選可能性が高まるにつれて一次的に、そして当選が確定すると二次的に暴騰した。これは、同社のCEOであり筆頭株主であるイーロン・マスク氏(創業者だと思っている人が非常に多いが、テスラがほぼ破綻寸前の時に買収した)がトランプ氏の当選に大きく貢献したため、彼と彼が率いる企業がトランプ政権の直接的な恩恵を受けるだろうという期待感が反映された結果だという解釈が支配的であった。

出所:Yahoo Finance
出所:Yahoo Finance

その後、トランプ氏の強引な関税政策が投資家心理を大きく損ない、テスラは選挙前後の上昇幅をすべて失った。他の銘柄も(主にテクノロジー企業)関税リスクにより大幅な下落を記録したため、株価下落がテスラだけの問題だとは言えない。しかし、韓国の個人投資家のテスラ愛は有名であり、テスラのファンダメンタルズが急激に損なわれている状況で、いわゆる「押し目買い」に走る人々の行動がいかに危険であるか、改めて強調したい。

出所:The Wall Street Journal, Tesla
出所:The Wall Street Journal, Tesla

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、テスラの2025年第1四半期の車両納車台数は前年同期比13%減少したという。第1四半期にモデルYのリフレッシュ版が発売され、一部非有機的な生産減少があったことは事実だが、2024年に初めて年間納車台数のマイナス成長(-1%)を記録した後、今年からは再び成長軌道に戻ると予想していた経営陣の予測とは大きくかけ離れた実績である。

筆者は、テスラが根本的には自動車会社であると何度も強調してきた。同社が強調するFSD(完全自動運転)ソフトウェアはいまだベータ版を脱しておらず、イーロン・マスク氏が時間の経過とともに値上がりすると予告していたサブスクリプション価格は、需要の低迷によりむしろ引き下げられている。その他にも、AIを活用したオプティマス(Optimus)ロボットはいつ商用化されるのか目処すら立っていない状況だ。テスラの信者たちは懐疑論者に対し、「イーロン・マスクのビジョンを理解すらできていない」とし、「テスラがいかに偉大な業績を達成しようとしているのか、きちんと勉強しろ」という一貫して根拠のない戯言を言っているが、誰よりもテスラとイーロン・マスク氏のビジョンについて熱心に勉強した人間の一人が、まさに筆者であると断言できる。同社のエネルギー事業部門の成長率が高いことは不幸中の幸いだが、まだテスラ全体の売上と利益に占める割合は微々たるものだ。結局、巡り巡ってテスラは自動車会社なのだ。

テスラが自動車会社であることを何度も語る理由は、すべての製造業がそうであるように、テスラもまた稼働率低下によるマージン減少を避けて通れないからだ。テスラの販売台数が減少する間、競合他社の電気自動車(EV)販売台数はむしろ増加した。かつて名実ともに第1位のEV企業として認められていたテスラの地位は、昨年基準で(生産量基準)失われており、今年は売上基準でもBYDに抜かれると予想されている。これに対し同社は、昨年第4四半期から非常に攻撃的な割引政策で納車台数を維持しようと努めているが、他ブランドがついに魅力的な代替財を提供し始めたことで、テスラ車を購入する理由がなくなりつつある。このような有機的な販売台数の減少は結局、販売価格の調整につながり、会社側としては低くなった販売価格により稼働率を維持しても貢献利益が減少する結果を招く。テスラが今年赤字を記録する可能性が高まったという意味である。

ウォール街のアナリストたちは、今年のテスラの利益が前年比で小幅上昇すると予想しているが、製品の競争力が低下している状況で筆者が言及したように(「イーロン・マスクはテスラの最大の強みであり弱点」)、会社の下値を支えようと努力すべきCEOは、危ういタイミングで最大の弱点として作用している。

実際に、ウォール街のアナリストの中でテスラに対して最も強気なダン・アイブス(Dan Ives)氏は、今朝、目標株価を引き下げながら、「我々は今やテスラが(イーロン・マスク氏が)作り出したブランド問題により、潜在顧客層の10%を失ったと判断する」とし、「これは保守的な予測かもしれない」と付け加えた。

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