2022年04月29日
自称チャートの達人たちにもう騙されないでください:彼らが役に立たない理由
ペ・ソンウ
*本記事はトレーディングに関する内容であり、言及される効率性はテクニカル分析における効率性を意味します*
長期的な強気相場のたびに、これまで無名だったものの、今回知られ始めた在野の達人たちが登場し始めます。
広告メールから様々なオンラインメディア、さらには誰かが特別に教えてくれる師匠まで、そのタイプや姿は多種多様に現れます。
このような「達人」たちは、実は金融市場に多くの関心が集まる以前から存在していたと考えられます。ただ、別の市場で別の形で存在してきただけなのです。
ピンと来ましたか?カルト宗教です。今では道端で誰かが「人相が良いですね」という名目で話しかけてくれば、誰もがそれがカルト宗教であることを知っており、「今時誰がこんなものに引っかかるんだ」と思うようになります。しかし、かつては様々な理由で信仰心が揺らぎやすい方々が多かったようです。
実は最近も大きく変わってはいないと思います。「急騰株探知機」という名のアプリはダウンロード数10万件に900件を超えるレビューがついており、高齢者を対象とした金融詐欺は毎回発生する問題点であり、名もなき専門家が教えてくれた怪情報に借金をしてまで投資する方々もいらっしゃいます。1937年の白白教、約80年が過ぎた今は誰も信じませんよね?このような金融市場関連のインチキたちも、今から80年が過ぎれば「当然」誰も信じなくなるでしょう。2100年、今時誰がそんな急騰株探知機に引っかかるのでしょうか?
今回重点的に取り上げる達人は、テクニカル分析の達人たちです。この人々が主に主張することは何であり、それはどのような部分で間違っているのでしょうか?
プライスアクション(Price Action)
YouTube、カカオトーク、ネイバーカフェなど、様々な場所で見かける達人(自称)たちが共通して主張することが一つあります。
まさにプライスアクションです。プライスアクションを使用する伝統的なテクニカル分析は、市場が非効率的であり株価は予測可能だと主張し、心理的な要因を持ち出して状況を説明する姿を見せます。
心理が反映された相場は特定のパターンを頻繁に見せるとして、そのパターンを理論として確立したのがまさにプライスアクションです。
よく言われる三角持ち合い、ウェッジ、フラッグ、ヘッドアンドショルダー、フィボナッチ、エリオット波動などがこれに該当します。
三角持ち合い(トライアングル)の例:価格変動の幅が極端に縮小した後、一方向にボラティリティが拡大するのが特徴です。
フラッグ型の例:平行な2本のライン内で推移した後、元のトレンド方向に進むのが特徴です。
ウェッジ型の例:三角持ち合いの一種です。
ヘッド・アンド・ショルダーの例:形状が頭と肩のように見えることから名付けられました。
こうしたプライスアクションには、ある致命的な欠陥が存在します。それは、実際の価格変動に応じて解釈が変わってしまうことです。様々なパターンを当てはめて説明しようとするほど、正当化の罠に陥る恐れが高まります。一つ例を挙げてみましょう。
任意の一つの銘柄を取り上げてみました。
この銘柄は黒いラインに沿って下落トレンドを示していましたが、矢印の方向に進むと思いきや、上方の黒いラインをブレイクする動きを見せました。
元々の下落局面を脱したため、新たに上昇方向の補助線を引いて考えることになります。「これで上昇するだろう」という予測と共に、希望を抱いて買いを入れるわけです。
プライスアクションで言うところのウェッジ型パターンだからです。
しかし、ここで上昇しなかった場合、どうなるでしょうか?
図のようにさらに下落した場合、今度は新しい補助線を引いてみます。プライスアクションで言う三角持ち合い(トライアングル)を形成中なのだから、今度こそ上がるはずだと正当化してしまう可能性があるということです。
では、ここでまた上昇しなかったらどうなるでしょうか?
自分が以前引いた補助線が間違っていたのだと考え、修正し始めます。今度こそ本当に上がるでしょうか?
もしこれでも上がらずに下がってしまったら、おそらく上記の方法で投資した投資家は市場が狂っていると言って売ってしまうことになるでしょう。
もはや正当化できないレベルに達した時、投資家の損失はすでに-12.37%になっています。本当に効率的な方法と言えるでしょうか?
彼の予測はいつでも外れる可能性があります。
損益比率
ああ、もちろん、本当に優秀な人かもしれません。聞くところによると、キャリアの長い方だそうです。しかし、彼の予測は、私にとって役立つのでしょうか?
決してそうではありません。それはまさに損益比の違いによるものです。
上記は任意の戦略の比重だけを変えてバックテストした結果です。1つ目の資料は全運用資金の1%のみを運用した結果で、2つ目は100%を運用した結果です。
口座推移の方向性からして変わってきます。損失にも複利が影響を及ぼすからです。
100万ウォンで50%の利益が出た後、再投資して50%の損失が出た場合
100*1.5 = 150
150*0.5 = 75
逆に50%の損失が出た後、再投資して50%の利益が出た場合
100*0.5 = 50
50*1.5 = 75
どちらの場合も損失になりますね?
彼が運用する金額やエントリーの比重と、
私の運用金額やエントリーの比重は異なるため、勝率は同じでも損益比は異なる可能性があります。
もし仮に、一時的に調子が良く、「この人はよく当たる」と思ってエントリーの比重を上げてしまっていたら、その直後の口座残高の減少幅はさらに大きくなっていたことでしょう。
参考にしている人の勝率が良くても、問題は存在するという意味です。
では、どうすれば?
自分の口座は自分で守るしかありません。予測は自由ですが、外れた時の準備をしておくことが最も重要だと考えます。
予測に関しても、相場の動きを予測するよりは、いつ売買するかを考え、期待できる損益を比較検討するのが正しいアプローチです。
*任意の例です*
相場がボックス圏を維持しています。緑の線より上に価格が上がったことも、黒の線より下に下がったこともありません。
このような状況で損益比だけを考えた場合、黒い線の付近でエントリーを試みるのが良いと判断できます。
少しでも下がれば損切りすれば済みますし、予想収益は少なくとも緑の線と黒の線の平均である赤い線までは期待できるからです。
緑・赤・黒のラインを引いた時点(青い縦線)以降、この例では計4回のエントリー機会が発生しました。
もし実際に取引を行っていた場合、2回目と4回目のエントリーは黒いラインを割り込んだため損切りとなり、
1回目と3回目のエントリーは赤いラインで利益確定となっていたはずです。
結果として勝率は50%に過ぎませんが、リスクリワードレシオ(損益比)の差により、損失は発生しないことになります。
これこそが、私が申し上げたい「間違える準備」です。どのような分析手法を用いても株価を正確に予測することは極めて困難であるという事実を踏まえ、リスクリワードを考慮すべきだという概念です。
実は、バリュエーション(価値評価)によって優れた銘柄を選別することも、リスクリワード管理の派生概念として解釈できます。例えば、シラジェン(SillaJen)とサムスン電子のどちらか一方しか購入できないとすれば、誰もがサムスン電子を選ぶでしょう。
現在の株価と適正な本質的価値(あるいは企業の持続可能性)との乖離がどの程度あるかに基づいて、投資判断を下すからです。
投資手法にかかわらず、自分なりの「マジノ線(許容限界線)」を設けることを検討してみてはいかがでしょうか?私たち全員の資産(口座)は、大切なものですから。
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