2023年01月02日
メモリ半導体の底打ちはいつになるのか?
ソン・リュンス
「2023年を迎えるにあたり、需給の不均衡が著しいため、2023年を通じて収益性は厳しい状況が続くと予想されます。収益性の回復時期は、需給バランスが改善され、サプライチェーン全体で在庫が適正化される速度とペースに左右されるでしょう。2023年のDRAMビット供給の伸びが前年比マイナスとなり、NANDビット供給の伸びが前年比横ばいとなれば、この回復は加速すると考えています。」
上記は、マイクロンが2023会計年度第1四半期の決算発表カンファレンスコールで述べた内容である。
要約すると、需給の不均衡により2023年を通して収益性が悪化するという見通しであり、(価格の)回復時期はサプライチェーン内での需給正常化のタイミング次第で変動し得るということだ。
最後の一文で「もし2023年(暦年)のDRAMビット供給量が減少し、NAND(フラッシュメモリ)ビット供給量が前年並みであれば、需給正常化の時期は早まるだろう」と述べているが、これは全面的にメモリ業界の「最大手」の決定にかかっている。
メモリ業界の「最大手」といえば、誰が何と言おうとサムスン電子を思い浮かべざるを得ない。つまり、カンファレンスコールで業界全体の供給量に言及し、回復時期がそれに左右されると述べたことは、業界のリーダーであるサムスン電子に対して「どうか減産してください」と懇願していると解釈する余地がある。
ここで「解釈する余地がある」というのは、事実上そう解釈して差し支えないという意味だ。
すでにSKハイニックスやマイクロン(MU)などのメモリ半導体企業は、2023年のCAPEX(設備投資)を50%削減し、人為的な減産まで行うという立場を表明しているが、サムスン電子だけは「減産なし」を貫いている状態だ。
結論として、サムスン電子の経営陣がどのような決定を下すかによって、メモリ半導体の価格は2023年内に底を打つ可能性もあれば、そうならない可能性もあるということだ。
現在と最も類似したサイクルであった1999年から2001年と比較してみると、少なくともあと2四半期は売上減少が続くと予想して投資を行うのが賢明であることがわかる。
したがって、メモリ半導体市況が現在底固めをしているという意見には賛同し難い。
今すぐ株価の反発を期待するには、まだ絶望的な結果が出ておらず、市場参加者の期待心理も依然として生きている状態だと判断される。
ニュースレター
オリジナルコンテンツ、ニュースレター、特別イベントに関する最新情報をいち早くお届けします。