2022年12月21日
前年比27%成長のナイキ:底堅い米国の個人消費
ソン・リュンス
火曜日の夜、ナイキ(NYSE:NKE)が第2四半期決算を発表した。同社は市場予想を軽々と上回る実績を発表し、前四半期比で加速した売上成長率を示した。多くのアナリストや投資家はこの予想外の結果を受け、時間外取引でナイキの株価を10%以上押し上げた。特に、同社が抱えていた在庫問題が、予想よりも成長や利益率に大きな影響を与えなかったと見られる。
第2四半期の売上高は前年同期比17.3%増の132億ドルだったが、ドル高の影響を除いた場合(為替変動の影響を除いたベース)、27%の成長を記録したという。
今回の成長は、売上が約30%増加した北米が牽引したが、中国を除くAPLA(アジア太平洋・ラテンアメリカ)、EMEA(欧州・中東・アフリカ)の成長率も極めて目覚ましい水準にある。
何がこの四半期の爆発的な成長を牽引したのだろうか。
それは、値引き(ディスカウント)だ。
ナイキも他のアパレル企業と同様に、
1) 過剰な数量を発注し、
2) その大量の商品が遅れて到着(サプライチェーンの問題)したことで在庫が積み上がるという
現象に見舞われた。
そのため、第1四半期(ナイキの会計年度基準)にCFOのマシュー・フレンド氏は、積み上がった在庫を解消するためにプロモーションを強化することになり、その結果マージンが縮小する(安く売るため)と述べていたが、実際に売上総利益率は前年同期比で300bps(3%)低下した。
しかし、この実績はアナリストや投資家の予想をはるかに上回るものであったため、株価は時間外取引での急騰という形で反応したようだ。
ナイキのウェアは高価な部類に入るが、皆どこからナイキを買う金を工面したのだろうか。
高騰するインフレにより、米国人の貯蓄率は過去最低水準に落ち込んだという統計があるにもかかわらずだ。奇妙ではないだろうか?
貯蓄を諦めてまでナイキを買うべき理由があったのだろうか、それともどこか頼れる当てがあって消費できたのだろうか?
正解は常にそうであるように、その間のどこかにある。
Checkable deposits(要求払い預金)は、決済可能な当座預金口座にどれだけの資金があるかを示しているが、ここに蓄積された資金は四半期ごとに増加し、過去最高を更新中だ。
米国人の貯蓄率は最低水準を記録しているが、保有している現金は過去最高を更新するほど多くなっているということだ。
一つ理解できない点は、貯蓄率が低下しているのに、なぜ現金保有額がこれほど急激に増加し続けられるのかということだ。
一部では、不動産や株式から資金を引き揚げたためだと言われている。
正確にどのような理由で現金保有額が増加し続けているのかは不明だが、来年の米国
が見える。
それならパウエルは……もう言うのはやめよう。
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