2022年06月04日
[Driverless Tech] GMクルーズ、テスラが成し得なかった「正式」な自動運転サービスを開始
ソン・リュンス
カリフォルニア州公益事業委員会から初めて認可を受けた自動運転タクシーサービスが誕生した。GMの子会社であるクルーズ(Cruise)は、これまで無償で無人タクシーサービスを運営していたが、4対0の満場一致で認可された今回のサービスは、顧客から料金を徴収できる正式な自動運転サービスと言える。公益事業委員会のメンバーであり、クルーズの元従業員でもあるジョン・レイノルズ氏が棄権したにもかかわらず達成された成果である。
クルーズは自動運転タクシーサービスにより、2030年までに年間500億ドルの売上を目指しており、カリフォルニア州の他の都市、さらには州外へのビジネス展開も構想している。ライドシェア業界において、ウーバー(Uber)やリフト(Lyft)の強力な競争相手として浮上することを望んでいる。
現在、テスラ(TSLA)が人間のような自然な運転を模倣しつつも、依然として人間の注意を必須とするレベル2の自動運転サービスしか提供できていないことを鑑みると、主要都市における完全自動運転サービスについては、ウェイモ(Waymo)やクルーズのアプローチの方が優れている可能性があることを証明する一つの事例になると見られる。
ゼネラルモーターズ(GM)はクルーズの株式80%を保有する大株主である。前CEOのダン・アマン氏とGMのCEOメアリー・バーラ氏との間で、同社の個別IPO(新規株式公開)を巡る対立が生じ、アマン氏を解任した後、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの保有全株式を取得した経緯がある。バーラCEOはクルーズをGMの中核資産とみなしており、IPOには反対していたと伝えられている。
一方、自動運転業界で最も有望な候補とされるテスラ(TSLA)は、自動運転はおろか基本的な運転支援の観点からも、理不尽なエラーが継続して報告されるなど、完成度の低いソフトウェアの実態を露呈している。
Bloomberg U.S Editionの記事によると、テスラの「ファントム・ブレーキ」(前方に車両がないにもかかわらず、間欠的に自動急ブレーキがかかる現象)は以前から問題視されていたが、特に今年に入って米運輸省道路交通安全局(NHTSA)に報告された苦情は758件に達し、前年同期比で実に2倍以上に増加したという。
苦情件数が2倍以上に急増したことを受け、NHTSAは6月20日までに同社の公式回答を求めているが、ファントム・ブレーキ現象が数年前から現在まで続いていることを見ると、テスラのエンジニアたちはこの現象が正確にどのような理由で発生しているのか、情報を持ち合わせていない可能性が高いと見られる。
自動車安全センター(Center for Auto Safety)の専務理事兼顧問であるマイケル・ブルックス氏は、ブルームバーグとのインタビューで次のように発言した。
「短期間でこれほど膨大な数の苦情が寄せられていることは、NHTSAの調査を強化すべきであることを示しています。毎月何百人もの所有者が緊急ブレーキシステムの誤作動を報告しており、NHTSAに報告していない所有者の数は計り知れません。」
「短期間でこれほど膨大な数の苦情が寄せられていることは、NHTSAの調査を強化すべきであることを示しています。毎月何百人ものテスラ所有者が緊急ブレーキシステムの誤作動を報告しており、NHTSAに報告していない所有者の数を加えれば、その数ははるかに多いと考えられます。」
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