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2025年03月05日

短期投資家と長期投資家の違い

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ソン・リュンス

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ヨアヒム・クレメント(Joachim Klement)はロンドンを拠点とする投資ストラテジストであり、彼が継続的に執筆している投資関連のブログや出版物は人々の関心を集めてきた。第2次トランプ政権の発足以降、株式市場がかなりの変動性を見せる中、短期投資家と長期投資家の違いについて解説した彼の記事は投資家にとって有益であると判断し、これを翻訳した。


経験豊富な投資家であれば、短期投資家と長期投資家の思考回路が大きく異なることを知っているだろう。短期投資家は市場のテクニカルな要因により集中する一方、長期投資家は企業のファンダメンタルズにより注目する。しかし、この違いが大きくなるほど、市場のボラティリティは高まる可能性がある。

アンソニー・クックソンとその同僚たちは、Motley FoolのCAPSプラットフォームにおける個人投資家の株式予測を分析した。個人投資家は専門家とは異なる行動をとるが、彼らの分析から我々が学べる普遍的な教訓があると考えている。

第一に、短期投資家(投資期間3週間または3ヶ月)と長期投資家(投資期間1年以上)の平均的な投資心理を見てみよう。容易に見て取れるように、長期投資家は平均してより楽観的であり、彼らの心理は短期投資家よりも緩やかに変化する。

これは深刻な市場の混乱期においても同様だ。2020年のコロナ・パンデミックや金融危機(灰色のバー)の間、長期投資家は冷静さを保ち、心理はほとんど変化しなかった。対照的に、短期投資家の心理は急激に悪化した。2022年のロシアによるウクライナ侵攻後にインフレが大きく上昇した際、長期投資家と短期投資家の双方が心理を悪化させたが、短期投資家の下落幅の方が大きかった。

短期および長期個人投資家の心理

出所:Cookson et al. (2024)
出所:Cookson et al. (2024)

ミクロ的な視点で見ると、決算発表をめぐる短期投資家と長期投資家の間の違いも観察できる。下のチャートは、短期投資家と長期投資家が、ポジティブまたはネガティブな決算サプライズに反応して、株価見通しをどのように更新するかを示している。ここでもまた、短期投資家はより攻撃的に反応し、常に決算サプライズの方向に動く。彼らは業績モメンタムを利用しているのだ。一方、長期投資家は単発の決算発表にはほとんど反応せず、バリュエーションやその他の長期的要因にはるかに集中している。

決算サプライズに対する投資期間別の反応

出所:Cookson et al. (2024)
出所:Cookson et al. (2024)

このような心理変化の違いは、当該株式の取引量を促進する。短期投資家と長期投資家の間の心理的な乖離が大きいほど、株式の取引量は増加し、株価の変動性が高まる可能性がある。

ある意味で、長期投資家は、決算発表後や金融危機、パンデミックといった市場のストレス期間において、短期投資家の取引とは逆のポジションを取る傾向がある。そして、誰が平均してより良いパフォーマンスを上げるかは、金融史家でなくとも容易に分かることだ。私は個人的に、非常にアクティブな短期投資家たちに賭けることはないだろう。

短期投資家 vs 長期投資家
経験豊富な投資家であれば誰でも、短期投資家と長期投資家の思考プロセスが大きく異なることを知っている。
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Klement on Investing - Joachim Klement
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