2022年10月10日
金利が上がると、なぜ債券価格は下がるのか?
ソン・リュンス
金利が上昇するにつれ、よく「債券利回りが低下する」「債券価格が下落する」といった言葉を耳にされたことがあるかもしれません。
しかし、時折「債券は価格が下がることのない金融商品ではないのですか?」と疑問を持たれる方もいらっしゃいます。
その通りです。保有されている債券を満期(契約の終了)まで持ち続けるのであれば。
わかりやすくご説明しましょう。
金利が1%の時に、満期10年の1,000ドル債券を購入したとします。毎年10ドルの利息を受け取るため、10年後には元本と利息を合わせて1,100ドルを受け取ることになります。
ところが翌日、突然金利が5%に急騰しました。この時、同じく満期10年の債券を1,000ドル分購入すると、10年後には元本と利息を合わせて1,500ドルを受け取ることになります。
そうなると、1日前に年利1%の債券を買った私は、昨日買った債券を払い戻して、今日の(高金利の)債券を買い直したいと思うはずです。
しかし、どうすればよいでしょうか?債券は払い戻しができません。市場で売却する必要があります。
債券市場の買い手は、5%に急騰した金利を見て年利5%の債券を買おうとするため、1%しか生まない私の債券は誰も買ってくれません。
結局、割引価格で債券を売らなければなりません。どれくらい割り引く必要があるかと言えば、約31%です。
なぜ31%も割り引かれた691.13ドルで、1,000ドルも出して買った債券を売らなければならないのでしょうか?
今、私の債券を買うと利回りが低すぎるからです。毎年10ドルの利息を受け取っても、691.13ドルに対して約1.4%程度の利率にしかなりません。
したがって、将来より多くの金額を受け取る必要があります。今691.13ドルを支払い、10年後に1,000ドルを受け取れば、約45%程度の収益を得ることができます。
結局、自分の債券を買う投資家に、新発債を買うのと同じ収益をもたらすために、割引価格で売らなければならないのです。
そうでなければ売れないからです。
3行要約:
- 債券の絶対価格は変わらない
- 金利が上昇した場合、自分の債券の「相対的な利回り」が低下する
- 債券を「市場」で売却する場合、新発債と同じ利回りになるよう合わせる必要がある=割引価格で販売
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