2025年02月05日
2025年米国「クアドラプル・ウィッチング・デー」、ボラティリティに警戒?その意味と日程とは
ペ・ソンウ
クアドラプル・ウィッチング・デーの意味
ハロウィーンは確かに年に一度だけですが、株式投資家にとって四半期ごとに訪れるイベントがあります。それが「魔女の日(ウィッチング・デー)」です。
この言葉、耳にしたことはありますか?
「明日はクアドラプル・ウィッチング・デーだろ。今日のうちに株を売っておけよ」
株式に詳しくない人が見ても、この日は投資家にとって何か危険な日であることが分かります。一体どのような日なのでしょうか?
クアドラプル・ウィッチング・デー(Quadruple Witching Day)とは、株価指数先物、株価指数オプション、個別株先物、個別株オプションの計4つの主要デリバティブ商品の満期日が重なる日を指す俗語です。魔女たちが悪戯をするかのように市場が乱高下する様子から、このような名前が付けられました。
正確には、現在は「トリプル・ウィッチング・デー(三人の魔女の日)」と言うべきでしょう。米国OneChicago取引所で取引されていた個別株先物が、2020年9月をもって終了したためです。
なぜボラティリティが高まるのか?満期日が重なることの意味
満期と市場の変動に何の関係があるのでしょうか?
ウィッチング・デーについて語るには、まずデリバティブ(金融派生商品)の満期の概念について触れておく必要があります。
まず、デリバティブとは基礎資産の価格によって価値が変動する金融商品を意味します。
株式を将来の決められた価格で取引する契約などがその一例です。
どのような契約であれ、約束の日が来れば取引を実行しなければなりません。
私たちが通常保有する株式は特に心配せず持ち続けることができますが、デリバティブ契約は特定の日における取引をあらかじめ約束したものであるため、ポジションを維持したい場合は、既存の契約を決済し、新たな満期日の契約へと乗り換え(ロールオーバー)る必要があります。
つまり、満期日が到来するということは取引が発生することを意味し、複数の先物・オプションの満期日が重なれば、それだけ注文が集中し、現物市場のボラティリティ(変動率)を高めることになるのです。
2025年 米国「クアドラプル・ウィッチング・デー」はいつ?日本時間では
ボラティリティが大きいということは、取引に伴うリスクが存在することを意味します。
リスクが高まる日がいつなのか、あらかじめ把握しておく必要があります。
米国市場におけるクアドラプル・ウィッチング・デー(魔女の日)は、毎年3月、6月、9月、12月の第3金曜日に到来します。2025年のカレンダーに照らし合わせると、今年の日程は以下の通りとなります。
- 3月21日(金)
- 6月20日(金)
- 9月19日(金)
- 12月19日(金)
米国との時差で混乱しそうでしょうか?
日本時間では、その翌日の土曜日となります。
- 3月22日(土)
- 6月21日(土)
- 9月20日(土)
- 12月20日(土)
取引終了前の1時間はボラティリティが特に高まる時間帯であり、「クアドラプル・ウィッチング・アワー」と呼ばれています。これは米国時間の午後3時から4時、日本時間では翌朝の午前5時から6時にあたります。
ファクトチェック:魔女の日は危機ではなく、好機となり得るか?
魔女の日は高い取引高とボラティリティを伴いますが、必ずしも市場に悪影響を及ぼす日とは言えません。週間ベースで見ると、肯定的なパフォーマンスを示すケースが多いためです。
Quantified Strategiesによると、魔女の日と通常のオプション満期日を比較した場合、次のような傾向が見られます。
- 実際にボラティリティと取引高は増加する傾向にある
- 当日の収益率は平均-0.1%で、無作為に選んだ取引日よりも低い
- 特にクアドラプル・ウィッチング・アワー中の平均収益率は-0.08%、勝率は31%にとどまる
- 魔女の日がある週は平均0.45%の収益率を記録し、勝率は61%
- 魔女の日の翌週は平均-0.05%の収益率となり、勝率は42%
- 特に6月と9月が不調で、それぞれ-0.57%、-0.75%の下落
S&P500指数を基準にすると、魔女の日がある週は、当日を除けばむしろ上昇するケースが多かったという結果が出ています。
むしろ翌週の方が下落傾向にあります。「魔女の日」という名前が影響しているのでしょうか?
この名称の由来はボラティリティ(変動幅)の大きさによるものであり、市場の方向性(下落)を意味するものではないことを銘記しておけば、投資の助けになるかもしれません。
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