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2025年04月14日

ESGではなく、真のエネルギー革命に投資する方法とは?「ICLN ETF」再点検(ft. イベルドローラ)

ペ・ソンウ

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テーマ型ETFシリーズ


上昇相場で「良い投資」に関心があるなら?真のエネルギー産業の変化に賭けたいなら?iShares Global Clean Energy ETFをもう一度見直してみましょう。

「ESGは本当に投資価値があるのか?」

ここ数年、ESG(環境・社会・ガバナンス)は投資市場の重要なテーマとして浮上しました。特に環境(E)要素への関心が高まる中、クリーンエネルギー関連ETFが多くの投資家の注目を集めています。しかし、果たしてこれらのETFが真にエネルギー産業の革新を捉えており、投資家に実質的なリターンをもたらすことができるのかは、慎重に見極めるべき問題です。

今日改めて取り上げるETFは、iShares Global Clean Energy ETF (ICLN)です。前回の記事では、このETFの基本情報と主要投資銘柄であるエンフェーズ・エナジーを中心に分析しましたが、今回はESGというやや抽象的なテーマを超え、エネルギー産業全体の変化という観点からICLN ETFを深く分析してみます。

ICLN ETF 年初来株価、yahoofinance
ICLN ETF 年初来株価、yahoofinance

ICLN ETFは、「良い企業」に投資しているのか?

iShares Global Clean Energy ETF (ICLN)は、表面的にはクリーンで持続可能なエネルギーを追求する企業に投資しているように見えます。しかし、このETFの投資対象をもう少し詳しく見ていく必要があります。

主な特徴:

  • 運用会社: iShares by BlackRock
  • 経費率: 年0.40%
  • 設定日: 2008年06月25日
  • 連動指数: S&P Global Clean Energy Index
  • 投資対象: 太陽光、風力、水力、再生燃料、エネルギー効率化技術など、多様なクリーンエネルギー関連企業(グローバル上場)
  • 保有銘柄上位(2025年4月14日基準、比率順):

ICLN ETFは、エネルギー産業の変化のバロメーターか?

ICLN ETFは、確かにクリーンエネルギーという重要なトレンドを反映していますが、投資家の立場からは、このETFがエネルギー産業の根本的な変化に対する効果的な賭けであるかどうかを検討する必要があります。

1. エネルギー産業転換の複雑性: エネルギー産業は、単に化石燃料から再生可能エネルギーへ「転換」するという単純な問題ではありません。エネルギー安全保障、経済性、技術発展、インフラ構築など、多様な要素が複合的に作用する非常に複雑な領域です。ICLN ETFは主に再生可能エネルギー生産企業に集中投資していますが、エネルギー貯蔵技術、電力網管理、炭素回収技術など、エネルギー転換に不可欠な他の分野の企業は相対的に比率が低い可能性があります。特に今回確認された上位保有銘柄を見ると、欧州の大型エネルギー企業や風力・太陽光発電企業の比率が高いことが分かります。

2. 「環境配慮」の基準と現実: ICLN ETFが投資するすべての企業が、真に「環境に優しい」活動のみを行っているとは限りません。例えば、太陽光パネルの生産過程で環境汚染問題が発生したり、風力発電所の建設が生態系を破壊したりする可能性もあります。したがって、投資家はETFが提示する「環境配慮」という基準を盲目的に従うのではなく、各企業のビジネスモデルや実際の環境への影響について、より深く分析する必要があります。

3. 再生可能エネルギーの間欠性とエネルギー貯蔵ソリューションの必要性: 太陽光や風力といった再生可能エネルギー源は、天候や時間などの外部環境によって発電量が不規則になるという根本的な限界を抱えています。このような間欠性の問題を解決し、安定的なエネルギー供給を行うためには、エネルギー貯蔵システム(ESS)の発展と普及が不可欠です。ICLN ETFは主に再生可能エネルギー生産企業に集中しているため、エネルギー貯蔵技術関連企業への投資比率が低い可能性があります。したがって、再生可能エネルギーの成長ポテンシャルと共に、エネルギー貯蔵技術の発展の重要性も併せて考慮する必要があります。

海外から見たクリーンエネルギー

クリーンエネルギーおよびICLN ETFに対する海外専門家の意見は以下の通りです。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BloombergNEF)の分析によると、

「過去10年間、再生可能エネルギーへの世界的な投資は4兆9000億ドルという記録的な数値に達しており、この傾向は今後さらに加速すると予想される」

と言及し、クリーンエネルギー市場の成長性を強調しています。
一方、金融専門ウェブサイトであるInvestopediaはICLN ETFについて、

「ICLNは広範なクリーンエネルギー企業への投資機会を提供しますが、再生可能エネルギー部門に影響を与える政府の政策や規制の変化に敏感に反応する可能性があります」

と指摘し、政策変化の重要性を強調しています。

iShares Global Clean Energy ETF(ICLN)は、クリーンエネルギーという重要な将来の成長テーマに投資するための優れた手段です。特に欧州の主要エネルギー企業や、世界的な風力・太陽光発電企業に幅広く投資している点が確認できます。しかし、政府の政策変更、技術競争の激化、新たなエネルギー源の登場の可能性、そしてグローバル投資に伴う様々な国別リスクなど、投資時に考慮すべき要素は多岐にわたります。

したがって、ICLN ETFに投資する前には、クリーンエネルギー産業全般に対する深い理解と共に、ETFが投資する細部分野や企業の競争力、そして世界市場の状況変化に対する継続的な関心が必要です。単にESGトレンドに便乗するのではなく、客観的な分析と慎重な判断に基づいて投資決定を下すことをお勧めします。

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